10.君田尾根緑地
                      「みなみ野四丁目 君田尾根緑地」付近の紹介      
         

みなみ野の「むかしの面影を残す道」 No.10


 この緑地の南側の道は、昔、君田谷戸の中心となる里道が通っていたところです。道は古く、昔の小比企村から、御殿峠を通り、相模の国につながっていました。
昔の風景の様に、この君田谷戸は、谷戸の低いところに水田があり、その両側の少し高台に斜面を利用した畑地が拡がっていて、ところどころに農家が点在している、とても住み良いところでした。絵の中の遠景に大きい斜面の畑がありますが、ここは養蚕が盛んなころ、協同の桑畑として開墾されたところで「協同桑園」と呼ばれていました。開発によって谷戸の小川はすべて埋められてしまい見ることは出来ませんが、この付近にはきれいな小川も流れていました。
絵と地図を持って当地に訪れないと、良く判らないかも知れませんが、開発によって大きく地形が変化した中に、ほんの少し昔の面影を残しています。昔の姿を残すのか、より便利な街を求めるのか考えるに良い例です。ちなみに、筆者はこの風景のすぐ近くで生まれました。

   製作、著作・水越 恒雄 

「みなみ野四丁目、君田尾根緑地」付近

図ー1 昔の風景
図ー2 現在の街並み
図ー3 昔の道
図ー4 現在の道